コミンカビヨリ

東京から地元にUターンしてきたイラストレーター・萌。
老後に飢え死にしないため、念願のマイホームを購入したのだ。
とはいえ、独立したての萌が買えたのは、築80年超の古民家だった。
そこへ、古民家マニアの有名建築士・池内慶が訪ねてくる。
格安ローンでリフォームさせて欲しい、と言う池内だったが、
その正体は、萌の古民家に「民子」と名づけるほどの生粋の変わりモノで――

まさかの古民家をめぐるラブコメディ……面白いです!
今、全国の地方都市で古民家に限らず空家が問題となっていますよね。
なかなか面白いテーマだなと感心しました。
それも、祖父母の家を相続したわけではなく、萌は自分で購入したんです。
イラストレーターとして独立して、老後を見据えての行動です。
何とも庶民的な、所帯じみたヒロインですが、ものすごく共感できます。
仕事でクライアントにいいように振り回されたり、
結婚できずに孤独死するのかと悩んだり、等身大の20代女性らしいです。

一方の池内さんは、東京生まれ東京育ちのお坊ちゃんです。
テレビにも出る有名建築士で、金銭感覚も萌とはズレまくっています。
それなのに、何の因果かこの二人、付き合うことになるんですよね。
池内さんは民子(萌の古民家)のため、萌は未来に変化を求めて、という
なんとも打算的なカップルですが、わりと相性は良いのでは? 
二人のこの先を、ニヤニヤしながら見守りたいです。

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魔法使いの娘に非ズ

まるで何かに誘われるかのように、工事現場に近づく酔った女性。
「送っていきますよ」と声をかけたのは、若い女性警備員だった。
その正体は、鈴の木初音――かけ出しの陰陽師だ。
女性と初音は、ある一軒の家の前にたどりつく。
自分の家だと言い張る女性は、しかし、鍵を持ってはいなかった。
「開けて! ここを開けて!」
チャイムを鳴らし、扉を叩き始める女性。
その家の中では、初音の相棒・篠崎兵吾と、家主の男性がいて――

『魔法使いの娘』シリーズの続編です。
主人公の初音は、不本意ながら父の跡を継ぎ、かけ出し陰陽師をやっています。
しかも、相棒は父の弟子であった篠崎兵吾。なんやかんやイイ感じな二人です。

夜な夜な空き地を徘徊する女、切ってはいけない桜の木、古くてボロい幽霊アパート……
背筋がゾクッとするような怪談話をベースにしたエピソードが満載です。
第一話から思いがけない展開で、話がうまいなと感心しました。
第四話の、山奥で自殺した母の霊を娘が一周忌の場に連れ帰るエピソードも面白いです。
依頼内容は、死んだ母に幽霊でもいいから一目会いたいというものでした。
その本当の理由は、母の死の真相が知りたかったからなんですね。
兵吾に憑依させて何とか家に連れ帰り、
母を自殺に追いやった本人を懲らしめることができました。
でも、母が帰って来るわけでもないし復讐が娘の心を救うわけでもないし……
後味がスッキリしない、でもどこか切ないようなエピソードでした。

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魔法使いの娘

鈴の木初音、16歳。ごく普通の高校生。
しかし、彼女の父は鬼退治や呪詛・占いを生業とする「陰陽師」だ。
ある日、生粋の変人である父が、初音にある試練を送りこむ。
一人は父の「弟子」、もう一人は初音の命を狙う「鬼」。
見た目はどちらも普通の人間だが、「鬼」は初音の命を狙うという。
初音はどちらが鬼かを見極めて、封じるお札を貼らなくてはならない――

タイトルには「魔法使い」とありますが、登場するのは「陰陽師」です。
初音の父・無山は、日本一忙しい陰陽師ですが、父親としては最低なタイプですね。
家事は一切できず、娘を有能な助手か何かとしか思っていない様子です。
初音は、自分は普通の女子高生だと思っているようですが、
訳のわからないものが見えるわ管狐をペットにするわでまったく普通ではありません。
この二人、実は本当の父娘ではないようです。
無山の友人の子? らしいのですが、初音も能力を持っていることから考えると、
本当の父もやっぱり陰陽師関係なのでしょうか。
とはいえ、血がつながっていない割にはちゃんと親子っぽくて微笑ましくも思います。

もう一人気になるキャラといえば、父の弟子である篠崎兵吾です。
長身で割りとイケメンなのですが、なぜ陰陽師に弟子入りしたのでしょうか?
彼と初音との間には、第一話で色々と因縁ができてしまいましたが、
なんだかんだで良い相棒なんですよね。二人の関係性の発展も気になるところです。

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昼のわたしと夜のわたし

雁栖かれん、23歳。
某ラジオ局のDJで、辛口な恋愛相談コーナーが人気だ。
「そんな男別れちゃえ!」と、悩める女の子達の背中を押し続けてきた。
でも、自分の恋愛はというと、子持ちの年上男との不倫関係なのだ。
彼が子どもの待つ家へ帰った後、かれんは一人、寂しくて不毛な夜を過ごす。
ある日、リスナーから寄せられた相談が、
自分の境遇とまったく同じで「不倫をしている」というもので――

人の恋愛相談に乗るのと、自分の恋愛を解決するのは、
まったく別次元の問題だったりするんですよね。
女子の相談というのは案外、結論が既に決まっていて、
「うんうん、わかる!」「そのとおりだよ!」と、背中を押してもらいたいだけなんです。
かれんも、リスナーの相談には気風よく「別れちゃえ!」と言えますが、
ふと自分を振り返ってみれば、そんなに簡単には割り切れないんです。
「ひとりになることを恐れないで」とラジオの向こうに語りかけながらも、
自分は不倫関係を解消してひとりにはなろうとしないんですよね。

ところで、かれんは23歳ですが結婚を意識しています。
ファッションやラジオ全盛なところから察するに、時代背景は結構古いようです。
当時は、20代後半だともう適齢期を過ぎてるという感じだったのでしょう。
でも、かれんの元に届けられるリスナーからの悩みはそんなに遠い感じもしないです。
時代が違っても、女子の生態ってあんまり変わらないんだな、と思いました。

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女の子が落ちた先は

フリーターの相川壮介はボロイアパートに住む普通の男。
恋愛や将来に対して希望はないけど、何とか毎日を生き抜いている。
しかし、ある日アパートの天井が崩れて2階の女の子が落ちてきたことで人生が変わる。
それまで灰色の日々だった相川の生活は一転してバラ色(に近い状態)となる。

『女の子が落ちた先は』は普通のフリーターの男を主人公とした物語です。
どこにでもいそうな貧乏な男で、毎月のやりくりをしながら慎ましく暮らしています。
相川の住むアパートにはそういったワケ有りの住人が多く、
2階に住む女の子もその一人。
彼女は女優を目指していて、女優業とバイトを掛け持ちする毎日。
普通の人の半分の時間も働けないので、安普請のアパートで暮らしています。
ただ、彼女のすごいところは生活費は節約しながらも
お洒落だけは手を抜かないところ。
女優を目指すもののたしなみと言ったところなのでしょうが、
こういったところに彼女の生きざまが現れています。
それは相川のような何もない男すら惹きつけてしまうようです。

この女の子が偶然か神のいたずらか、相川の部屋に落ちてしまうところから
物語が動き出します。
相川もこの女の子のことが気にはなっているようですが、
今一歩踏み込めないところがあります。
作中では詳しく描かれていませんが、何もない自分と
何かを目指している人の輝きを比べてしまっているようなところがあります。

一方で女の子の方は相川に対して好意を隠そうともしないのですが、
相川が少し腰が引けているので、この恋愛がうまくいくかどうかは少し微妙そうです。

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マギ シンドバッドの冒険

シンドバッドの父・バドルは、バルテビア王国の勝利に貢献した英雄だった。
しかし数年後、バルテビアはレーム帝国との戦争で劣勢となる。
重い税を課せられた国民は、戦争に協力しない者を「非国民」と呼び迫害した。
かつて戦争で片足をなくしたバドルもまた、
非国民と呼ばれ虐げられるようになったのだ。
やがて、バドルは再び徴兵され戦場で散る――息子・シンドバッドに、一本の剣を遺して。

『マギ』シリーズの登場人物・シンドバッド王の幼少期を描いた外伝です。
本編では7つのジンを従え、七海の覇王と称されるシンドバッド王ですが、
やっぱり生まれた時からその資質が滲み出ていたんですね……さすがです。
その女たらしぶりも14歳から変わってないです。さすがです。
船乗りの少年が覇王となる……という物語は、
『グイン・サーガ』シリーズのイシュトヴァーンに似ていますね。
ただの船乗りから傭兵となり、さらに大国の王となったところだけでなく、
女たらしなところもそっくりです。

さて、14歳のシンドバッド少年は、世界を変える王の力を求めて
第1迷宮(ダンジョン)に赴きます。
自信に満ち溢れていて、未知の冒険には心躍らせる少年っぽさが素敵です。
7つの迷宮を制覇し7つのジンを従えることになるのは分かっていますが、
それでも少年シンドバッドの活躍から目が離せません!

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マギ3

第7迷宮をクリアした後、アラジンは遥か東の草原の国で目覚めた。
運よく黄牙一族に拾われて、自分と同じくルフが見えるババ様と出会う。
騎馬民族である黄牙一族の祖先は、
かつて世界統一まであと一歩に迫った大黄牙帝国であった。
そこへ、煌帝国の第三子である練白瑛が使者として訪れる。
国と国の争い。民族としての誇り。そして、血にまみれた戦争……
王の選定者・マギであるアラジンは、すべてを見ることになる――

第7迷宮をクリアして、さあアラジンとアリババの二人旅が始まるぞ!
……と思いきや、いきなりはぐれちゃうんだもの驚きです。
しかも、アラビアンナイト的な砂漠を抜け出して、騎馬民族が暮らす草原の国へ。
敵対するのは、さらに東にある古代中国風の国です。
なんとも世界観の広い、規模の大きな作品になりそうな予感です。

この草原の国でのエピソードは、「敵=悪」という単純な構図ではなく、とても深いです。
国というのは人々の集合体であって、簡単に言えば、良い人も悪い人もいるんです。
国と国が敵対する中で、個人として相手を信頼できるかどうか。
あるいは、個人を憎いと思っても、国のために私情を抑えることができるかどうか。
アラジンは、ババ様との交流を通して、マギとしての自覚をもったようです。
アラジンが王として選んだのは、おそらくアリババなのでしょう。
二人が再開できるのは、いつになるのでしょうか? 楽しみです。

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夏のオトシゴ

ある日、クラスメイトから告白された一之瀬香奈。
クラスでは目立たない存在だった香奈にとって初めてできた彼氏です。

告白してきた山岡も目立たないタイプで、告白にはすごく勇気を振り絞ったのがうかがえます。
山岡の優しくて誠実そうなところが気になっていた香奈はその場で交際をはじめます。
交際を始めたと言っても互いに奥手なふたりです。
クラスの中で仲良く話すことすらできません。
今でこそもどかしい思いがしますが、自分が高校生だったころを思い返すと、
そんな感じだったかもしれません。

ふたりが話すのは人目につかない山の中の神社。
ここは二人だけの秘密の場所で、ふたりだけの時間。
ふたりともガツガツした感じは一切なく、ただ優しく時間が流れます。
こういうのって青春っていうんでしょうね。
このまま時が止まってしまえばという言葉はこういうもののためにあるという感じです。
しかし二人とも子供のままでもいられません。

いずれ進学や就職などの難関が待ち受けています。
もしかしたら二人は離れ離れになってしまうかもしれません。
もしそうなっても思い残すことがないようにと考えるのは自然な事です。
時間が流れるという恐怖が二人の距離を縮めていくのでしょうね。

ところが、ふたりだけの時間を引き裂くような事件が発生します。
この事件こそ「夏のオトシゴ」の原因となってしまう事件です。
事の発端はたわいもないことでした。
香奈が化粧ポーチを学校で落としてしまったのです。
女の子の化粧ポーチには大切なものがたくさん詰まっています。
地味な子であった香奈であっても例外ではありません。

これを拾った相手が不良だったのです。
不良は香奈の化粧ポーチを漁り、あるものを見つけ出します。
それは香奈にとっては絶対に秘密にしておきたかったもの。
山岡との大切なものだったのです。
不良から大切なものを取り返し、さらに口止めするために、
香奈が取った決断は非常なものでした。

一方で香奈が問題に巻き込まれたことを知らない山岡。
いつものようにあの神社で香奈を待ち続けます。
あまりに非情な出来事ですが、逆に山岡は知らない方がいいのかもしれません。

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マギ2

第7迷宮に挑む、アラジンとアリババ。
魔神の金属器からウーゴ君を呼び出して戦ったことで、
体力と精神力を使い果たしてしまったアラジンは、寝込んでしまう。
そこへ、町の悪徳領主・ジャミルがやってきて、アラジンを「マギ」と呼んだ。
アラジンを人質に取られ、成り行きで彼らと同行することになったアリババ。
ジャミルの前を歩くよう指示され、ついに迷宮の罠にかかってしまう――

アラジン、アリババ、そしてモルジアナ。
本作のメインキャラクターがようやくそろいましたね!
とはいえ、最初はモルジアナは悪徳領主の奴隷として登場し、
アラジンとアリババには敵対しています。
暗黒大陸の戦闘民族・ファナリスの末裔だそうです。
肉体戦では彼女が一番強いのが、面白いですよね。戦う女の子って素敵です!
そういえば、アリババも意外と(と言ったら失礼ですが)強かったんですね。
完全に、知恵とハッタリで道を切り拓いていくキャラクターだと誤解していました。
孤児になったアリババを国王が見初めて、教育や王宮剣術を教え込んだそうです。
このあたりは、同じく『アラビアンナイト』が元ネタである
『プリンス・オブ・ペルシャ』に似ています。

さて、アラジンは“創世の魔法使い”マギとしての一角を示し始めました。
マギって何? ルフって何? 王の選定者って何?
一応小難しい説明はありましたが、アラジン自身は記憶をなくしているようです。
この先、読者とともにマギについて解き明かしていくことになるのでしょうね。

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マギ1

金色の笛に住み着いたシャイな魔神・ウーゴ君とともに旅をするアラジン。
借金返済に追われながらも、迷宮(ダンジョン)攻略を夢見るアリババ。
二人が乗った馬車が、砂漠越えの途中でユリ科の肉食植物に襲われてしまう!
命がけで少女の命を救ったアリババを、アラジンもまた魔法を使って助けた。
友情(?)が芽生えた二人は、共に第7迷宮へと挑む――!

アラジンは『アラジンと魔法のランプ』から着想を得たのでしょう。
魔法のランプをこすると、魔神が出てきて願いを叶えてくれるのですが、
『マギ』の魔神・ウーゴ君は願いを叶えるというより武闘派ですね。
ランプではなく、リコーダーみたいな縦笛ですし。
また、アリババとモルジアナは『千夜一夜物語』のお話のひとつ、
「アリババと40人の盗賊たち」から名前と設定が取られているようです。
元ネタとなったこれらの物語にも目を通しながら読むのも面白いかもしれません。

アラジンは、純粋で素朴世間知らずで、小動物か子どもみたい……なくせに、
ちょっとえっちなところがあるんですよねえ。
キャラクターとしてのバランスが何とも絶妙です。
アリババも、権力者に擦り寄る打算的なところと正義感のあるところの
両面があって、人間らしくていい感じです。
この二人の友情は、最初はまだ真の友情とは呼べないものかもしれませんが、
迷宮攻略を通して固い絆になっていくのでしょう。楽しみです。

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