マギ1

金色の笛に住み着いたシャイな魔神・ウーゴ君とともに旅をするアラジン。
借金返済に追われながらも、迷宮(ダンジョン)攻略を夢見るアリババ。
二人が乗った馬車が、砂漠越えの途中でユリ科の肉食植物に襲われてしまう!
命がけで少女の命を救ったアリババを、アラジンもまた魔法を使って助けた。
友情(?)が芽生えた二人は、共に第7迷宮へと挑む――!

アラジンは『アラジンと魔法のランプ』から着想を得たのでしょう。
魔法のランプをこすると、魔神が出てきて願いを叶えてくれるのですが、
『マギ』の魔神・ウーゴ君は願いを叶えるというより武闘派ですね。
ランプではなく、リコーダーみたいな縦笛ですし。
また、アリババとモルジアナは『千夜一夜物語』のお話のひとつ、
「アリババと40人の盗賊たち」から名前と設定が取られているようです。
元ネタとなったこれらの物語にも目を通しながら読むのも面白いかもしれません。

アラジンは、純粋で素朴世間知らずで、小動物か子どもみたい……なくせに、
ちょっとえっちなところがあるんですよねえ。
キャラクターとしてのバランスが何とも絶妙です。
アリババも、権力者に擦り寄る打算的なところと正義感のあるところの
両面があって、人間らしくていい感じです。
この二人の友情は、最初はまだ真の友情とは呼べないものかもしれませんが、
迷宮攻略を通して固い絆になっていくのでしょう。楽しみです。

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十二秘色のパレット

南海の孤島・オパルには、色彩の魔術師「パレット」たちが住んでいる。
パレットは触れたものから色を奪い、布や石に彩色する技能者だ。
パレットを目指して養成学校に通うセロは、
やる気があって筆記は良いのに実技試験がからっきしダメな女の子。
彩色に失敗して、校医のグエル先生のお世話になることもしばしば。
ある日、セロの相棒でもある極彩色の鳥・ヨーヨーが盗まれてしまい――

独特な世界観の中で展開されるファンタジーです。
パレットは、オパル原産の極彩色の鳥とペアを組みますが、
学業・仕事の時だけでなく日常生活も共にするまさに相棒です。
ファンタジー小説『ライラの冒険』に出てくる、自らの分身ダイモンみたいです。
セロの相棒ヨーヨーは、セロがしょんぼりしていると励ましてくれます。
表情豊かでとっても可愛らしいですね。
パレットの仕事はいわゆる染色家なのですが、モノクロなのが残念です。
もしフルカラーだったら、きっと色とりどりで鮮やかなんでしょうね。

南国の孤島という設定だけあって、全体的にのんびりしています。
セロたちは何度も事件に巻き込まれているのですが、どことなくゆるいというか……
校医のグエル先生も、セロにはちょっと辛らつなところもあるけれども
基本的にはぼんやりおっとりして見えます。
ダメな子ほど可愛い……とは言いますが、
グエル先生はセロに特別な感情を抱いているのかな?
二人の関係性がゆっくりと変わっていくのにも注目です。

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帝の至宝

晶王朝の悪政のため、民は飢え苦しむ日々が続く。
王宮から宝を盗み出そうと忍び込んだ香蘭は、
怪しい男が王宮から抜け出す現場を目撃する。
どうやらそれは、第一王子を殺した暗殺者だったらしい。
明くる日、香蘭は山奥で傷を負ったその男を見つける。
村医者のじっちゃんに教わった通りに、とりあえず彼を助ける。
志季と名乗ったその男の正体とは――?

主人公の香蘭は、幼い少女かと思いきや十八歳だそうです。
香蘭はなぜこんなにちんちくりん(失礼)なんでしょうね。
山奥の貧しい民だから栄養状態が悪く、成長できなかったとか?
幼い風貌ではありますが、度胸はあるし正義感も強いので、
見ていてなかなか気持ちがいいです。
他にも、登場キャラクターたちはギャップがあって個性的な人ばかりです。
志季は、暗殺者かと思いきや陰謀から逃れた第一王子だし、
エセ占い師の吏元は見た目は美人なのにただの女タラシだし……
この三人は三角関係になったりするのかな? 楽しみです。

巻末には、「魔女にうさぎの人形を」という短編も収録されています。
こちらも、うさぎの人形に封じ込められた領主と、
迫害の対象である魔女との身分差ロマンスです。
凛とした女性が一人の男の心を変え、やがては国を変えるのでしょう。
かなり胸キュンできますよ。

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パーフェクトワールド

インテリアデザイン会社に勤める川奈つぐみは、
取引先の設計事務所との打ち合わせで初恋の人・鮎川樹と再会する。
彼は、高校生からの夢だった一級建築士になっていた。
久しぶりの再会に胸が高まるつぐみだったが、
打ち合わせがお開きになり、彼が車椅子生活であることを知る。
「簡単な気持ちじゃ付き合えなくないですか?」
同僚の言葉に、つぐみは言い返すことができなかった――

鮎川が歩けないということを、読者に気づかせるシーンが上手いです。
最初は、鮎川は居酒屋で座っているんですよね。
仕事の打ち合わせの場なので、鮎川もわざわざ説明するようなことはしない。
でも、先に帰ることになって、店員に「持ってきてもらえますか」と言う。
車椅子に座って、何も言わず振り返りもせず鮎川は行ってしまう……
つぐみが驚くと分かっていて、驚いた顔を見たくなかったのかもしれません。
胸がギュッとなるシーンです。

障害のある人との恋愛って、想像がつきません。
でも、障害がどうこう考えるよりも先に、相手のことを好きになっているんじゃないかな。
つぐみも、何度も「車椅子の人とは恋愛できない」と自問自答しています。
それでもやっぱり、鮎川にひかれていくんですよね。
つぐみが悩む様子がリアルで、共感しつつじれったくもなります。
理不尽な事故で障害をもつことになってもなお、
周囲の助けに対して「俺は幸運だ」と言える鮎川もすごいです。
この二人が、どうか幸せになれますように……

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私の無知なわたしの未知

小学3年生で両親が離婚。
小料理屋を営む母を手伝いながら、二人で何とか生きてきた。
就職先の会社には、幼い頃から自分を助けてくれた晴人もいる。
それなのに、湊はどこか息苦しさを感じていた。
過保護な母の静かな期待、そして晴人からのプロポーズ。
逃げ場をなくし、パニックになりかけた湊に、
美人な先輩社員・朝海さんが声をかけてくれて――

湊は、確かにこれまで流されて生きてきたのでしょう。
幼馴染の晴人と普通に付き合い、そのコネで就職までしました。
母親に対しても、自分のわがままを飲み込んで二人きりで生きてきたのです。
でも、別に適当に生きてきたわけじゃない。
父親がいなくなってから、一生懸命に生きてきたはずです。
確かに幸せなはずなのに、なぜか外堀を埋められているように感じる。
自らが望んだ人生なのか、期待に答えるためだけの人生なのか……
もちろん、すべてが自分の思い通りになるなんて思ってはいません。
でも、湊が感じている息苦しさに、どことなく共感を覚えます。
真綿で首を絞められるような、とでもいうのでしょうか。
優しさに応えられない自分が悪のように思えて、追い詰められるんですよね。

湊に声をかけた朝海さんは、美人でクールな、仕事もできる先輩社員です。
ところが、彼女は湊に意外な行動を取ります。
「えー!?」とも「キャー!」ともなる、ドラマティックな展開です!

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中華一番!

菊下楼の新たな料理長を決める、料理勝負が開かれようとしていた。
方や、菊下楼の厨房を遊び場として育った、前料理長パイの息子・マオ。
対するは、パイに十年師事するも彼女を裏切り、一度は店を捨てたショウアン。
因縁の料理対決の課題は、「幻の麻婆豆腐」!
審判を務めるリー提督が、若き頃に食したその味を再現できた方が勝利するのだ。
マオは店を守るため、亡き母の味を思い出そうとする――

繊細な味覚と、一度覚えた味を忘れない記憶力がマオの武器です。
まだ13歳で少年らしい一面も多いですが、料理の才能は大人顔負けです。
各料理に対してさまざまな課題があって、それを数々のひらめきで乗り越えていきます。
料理を味わった時の奇抜なリアクションに定評のある作者ですが、
第一巻ではまだそこまで常軌を逸した表現はありません。ちょっとつまらないです。
とはいえ、集中線の多いこと! バトル漫画かと勘違いしそうです。
努力・友情・勝利というお約束の構造はちゃんとあって、読後の爽快感もバッチリです。

麻婆豆腐にチンジャオロースーと、とにかく美味しそうな料理が登場します。
ページをめくるたびにお腹が減る漫画なので、空腹時はご注意を!
残念ながら、奇想天外な方法が多いのでレシピを真似するのには向いていません。
あくまでフィクションのグルメ漫画としてお楽しみください。

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ヘルズキッチン

地獄で最も美味とされている「本物の料理人の魂」を食べるため、
悪食伯爵・ドグマは現世をさすらっていた。
数々の料理人の魂を喰っても満足できなかったドグマは、
自ら「本物の料理人」を一から育てることにしたのだ。
彼が目をつけたのは、高校受験を控えた普通の中学生・守屋悟。
悟はドグマに操られ、厨房にあるゴミクズだけで美味いハンバーグを作ることに。
はたして、食いしん坊の幼馴染・初夏(はつか)を満足させることはできるのか?

これといって特技もない、進路もまだ決まっていない悟が、
「本物の料理人」を目指すグルメ漫画です。
最初は操られて仕方なく料理をした悟ですが、
自分の作った料理で人が喜ぶのを見て、少しずつ何かが変わっていきます。
また、料理を習ったことがない彼だからこそ思いつく視点も多いようです。
ドグマが彼に目をつけたのは、その料理への純粋さと誰にもない発想力が
大きな魅力だったのかもしれません。
第二話で、悟はいきなり食専(国立食農高等専門学校)に編入学します。
中学三年生なのに編入できるの? なんて野暮な疑問はさておき。
ここで悟が「冷たいスフレ」を作るのですが、これがまた美味しそうで……!
ふっくらと立ち上がったスフレ、ふんわり食感なんでしょうか。
悟がドグマに操られているからではなく自ら料理にのめりこんでいく様子は、
見ていて応援したくなりますね。

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シノビライフ2

過去から戻って以来、紅のことを「紅姫」とは呼ばなくなった景虎。
現代社会で生きていくことを決め、世間に馴染むためにも、
紅の遠い親戚だということにして学校に通い始めることに。
そんなある日のこと、紅は、同じクラスの岩鶴理人が
実は父の決めた許婚だったと知る。
理人のそばには、なんと景虎と同じく過去からやって来た忍・鶲(ひたき)がいて――

紅が紅姫ではないと分かってからの景虎は、ストレートに恋心を伝えてきます。
嫉妬したり触れて見たり、かなり積極的なアプローチです。
紅姫に対しては、身分の差があったから控えめだったのでしょうね。
紅も景虎のことが好きなんです、好きなんですが……
冷酷な父が邪魔をするんです! なんということでしょう!
今時、親が決めた許婚だなんて時代が古すぎやしませんかね。
古すぎる価値観だからこそ、景虎にとっては「当たり前」だったんですね。
身分の差がなくなった二人ですが、また道ならぬ恋に戻ってしまいました。

さて、第1巻で景虎と紅を襲った忍・鶲が、現代で再登場します。
景虎たちと同じ方法でタイムトリップしてきたのですが、
鶲が下り立ったのは5年前でした。
そこで、理人と出会っています。
使命に忠実な景虎と違い、鶲は景虎への執念で動いているようです。
憧れやら嫉妬やら憎しみやら、いろいろとこじらせてしまっています。
忍の掟なんかない現代に来たんだから、もっと平和に生きたらよかったのに……。
もっとも、景虎には紅がいたから救われたのに対して、
鶲は理人のそばにいてもずっと孤独を背負ってきたのかもしれません。

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シノビライフ1

女子高生・藤原紅(べに)は、ある日、誘拐されてしまった。
ビルの屋上で脅されていた紅の頭上に、なんと忍者姿の男が落ちてきた!
景虎(かげとら)と名乗ったその男は、
戦国時代からタイムスリップしてきた本物の「忍」で――
景虎は、紅を「紅姫」と呼び、彼女を守ることが使命と思っている様子。
藤原家のメイドや父の秘書など、財産狙いで紅を狙う輩は多い。
はじめは景虎を邪険にしていた紅も、守られ救われるる内に心を許していく。

第1話・第2話では、紅は家が金持ちなために2度も誘拐されてしまいます。
メイドは誘拐犯だし、秘書はヘンタイだし、本当にかわいそうな紅……。
彼女の家庭環境は複雑で、紅はちょっとひねくれてしまっています。
「父にあてつけられるなら死んでも構わない」と言う彼女が、
景虎と出会って少しずつ考え方を変えていく様子が微笑ましいですね。
一体、紅の両親の間には何があったのか、気になります。

第3話・第4話では、二人そろって景虎の時代へタイムトリップしてしまいます。
景虎の主である紅姫の行方が明らかになり、紅の正体もばれてしまいます。
しかし、二人は現代に戻ってきます。
物語の舞台はあくまで現代なんですね。
携帯電話やテレビに驚く景虎が、ありきたりではありますが、とってもかわいいです。
自分だけのボディガード、しかもイケメン。羨ましすぎるシチュエーションです。
おまけに、世間のことには疎い景虎をにやにや見守る楽しみまで……
というのはさておき、母をなくして以来孤独だった紅にとっても、
景虎の存在によって孤独感が薄れていくようです。良かったですね。

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ヨコハマ買出し紀行

夕凪の時代――
海面は年々上昇し、大都市横浜は今や丘の上に移転していた。
ゆったりと時代が黄昏れていく中、ロボットのアルファは、
西の岬のコーヒー屋を一人で守り続けている。
オーナーは、数年前にどこかへ行ってしまったきり、音沙汰なし。
アルファの店には、ガソリン屋のおじさんや孫のタカヒロたちが訪れる。
まったり時々にぎやかな、アルファの日常。

アルファはロボットですが、見た目はほとんど人間と区別がつきません。
アンドロイドというのでしょうか?
人工知能があって、飲食もできます。
楽器を弾いたり踊ったりもできるんです。
ただ、一度雷が直撃した時は、皮膚や髪の移植手術を受けていました。
それ以外は、本当に普通のきれいなおねえさんなんです。

この物語の舞台はおそらく近未来です。
でも、こんなにゆったりまったりとした近未来の世界観は、他にはありませんね。
「夕凪の時代」「時代の黄昏」、なんとも美しい表現です。
アルファのような人型のロボットは、人々にも普通に受け入れられています。
世界に何が起こったのかは、描かれていません。
おそらく、この先も描かれないと思います。
大切なのは、世界がどうしてこうなったのかではなく、
こうなってしまった世界をありのまま受け入れて、
一日一日を大切に過ごしていくことだから――だと思うのです。

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