刻刻

樹里の甥・真が、幼稚園からの帰りに誘拐された。
身代金を要求されたが、受け渡し場所まで行く時間と手段がない。
隠居の祖父が提案した方法は、常軌を逸したものだった――
一見何の変哲もない石に、自らの血を注ぐ祖父。
気づくと、世界の「時間」は静止していた。
人も動物も水や石でさえ静止したままの不可思議な世界で、
樹里たちは真の救出のため走り出す。
真を誘拐した犯人たちの、本当の目的とは……!?

樹里は就職活動中の28歳で、父はリストラされ無職、祖父は隠居。
樹里の妹はシングルマザーで真を育て、
真を迎えに行った兄・翼は引きこもりのニート。
決して完璧とはいえない、どこにでもいそうな佑河家の家族たちが、
とんでもない非日常の戦いへと巻き込まれていきます。

読者は、樹里と同じく何もかもさっぱりわけが分からないまま、
ストーリーに引きつけられていきます。
時間を止める不思議な石のこと、どうやら血筋に関係しているらしいこと、
祖父が使える瞬間移動能力、そして真をさらった犯人たちの思惑……
ああ~、続きが気になって気になってしかたありません!

祖父が“管理人”と呼ぶ気持ち悪い生き物(?)が、
怖くて恐ろしくておぞましくて、夢に出そうです。
敵対勢力は“神の離忍(カヌリニ)”と呼んでいますね。
カヌリニ、がなまって管理人、と呼ばれるようになった、と
本編中で推測されていますが、なかなか面白いです。
謎の力をめぐる派閥争い……いいですねぇ。

時間が静止した世界の描写にぜひ注目してください。
壁から飛び降りようとしていた猫は空中に浮いたままになり、
たまっている水で顔を洗うと、水面には穴が開いて空中に水がとどまります。
時間を任意で止めることができたら、自分なら何がしたいかな?
と考えてもみますが、特に思いつきません。
遠いところに行こうとも、徒歩でしか行けないわけで……
便利そうに見えて、意外と何の役にも立たない能力ですねえ。

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